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【基本・応用情報技術者】アローダイアグラム(PERT図)のクリティカルパスを求める

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今回は基本情報技術者試験応用情報技術者試験で頻出の「クリティカルパスの求め方」を解説します。

一見難しそうですが、覚えてしまえば簡単です。

高確率で出題されるので求め方を覚えておきましょう。

PERT

PERT(Program Evaluation and Review Technique)はプロジェクトの工程管理を行う手法です。

このときに使用される図をアローダイアグラムまたはPERTといいます。

また、アローダイアグラム上における作業日数に余裕がない工程を繋いだ経路をクリティカルパスといいます。

クリティカルパスの求め方

アローダイアグラムの読み方

アローダイアグラム

上のようなアローダイアグラムのクリティカルパスを求めます。

実線の矢印は作業で今回は作業A~Gがあります。

矢印の近くにある数値は工数、つまり作業にかかる時間です。

次に、①~⑥は結合点と呼ばれ、作業と作業の境目を表します。

この図では結合点①からプロジェクトを開始し、作業Aが終わったら作業Bと作業Dを開始できます。

ここまでは理解できたでしょうか。

ここからが知らないと間違えてしまう部分です。

点線の矢印はダミー作業といいます。

ダミー作業は実際には作業しないため工数は0ですが、ダミー作業を終えないと次の作業を開始できません。

この図で言うと、結合点⑤はダミー作業がなければ作業Dを終えた時点で作業Eを開始できますが、ダミー作業があるため作業Bと作業Dの両方を終えないと作業Eを開始できないのです。

これを忘れると計算がずれるので注意しましょう。

最早結合点時刻を求める

次は最早結合点時刻を求めていきます。

最早結合点時刻は次の作業を最も早く開始できる時刻です。

プロジェクト開始時点では0とし、プロジェクト終了まで各作業の工数を加算していくことで求まります。

結合点①における最早結合点時刻は0、結合点②では2、結合点③では6ということになります。

最早結合点時刻の求め方1

ここで注意しなくてはいけないのは、複数の矢印が入ってくる結合点の最早結合点時刻は最も大きい値になるということです。

例えば結合点⑤に入ってくる矢印はダミー作業と作業Dがあります。

結合点②における最早結合点時刻は2なので作業Dを終えた時の時刻は2+1=3ですが、ダミー作業があるので作業Bを終えてからでないと作業Eを開始できません。

したがって次の作業を最も早く開始できるのは結合点③と同じく6になります。

このように最早結合点時刻を求めていくと、下のようになります。

最早結合点時刻の求め方2

最遅結合点時刻を求める

続いて最遅結合点時刻を求めていきます。

最遅結合点時刻は次の作業を遅くてもこの時刻までには開始しなくてはならないという時刻です。

プロジェクト終了時点の最遅結合点時刻(最早結合点時刻と同じ)から工数を減算していくことで求まります。

結合点⑦における最遅結合点時刻は14、結合点⑥では9、結合点⑤では6、結合点④では11ということになります。

最遅結合点時刻の求め方1

最遅結合点時刻の場合は矢印が複数出ていく結合点では最も小さい値を選びます

結合点③は結合点④と結合点⑤に矢印が出ていきます。

結合点④の最遅結合点時刻11から作業Cの工数2を引くと9になりますが、結合点⑤の最遅結合点時刻6からダミー作業の工数0を引くと6になるため、結合点③の最遅結合点時刻は6になります。

このようにすべての最遅結合点時刻を求めると以下のようになります。

最遅結合点時刻の求め方2

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クリティカルパスを求める

あとは簡単です。

最早結合点時刻と最遅結合点時刻が同じ結合点を通る経路を見つけます。

ダミー作業も忘れずに含めましょう。

すると、1→2→3→5→6→7がクリティカルパスということがわかります。

クリティカルパス


基本情報技術者試験ではクリティカルパスを求めるところまでですが、応用情報技術者試験では「どの作業に人数をかければ期間を短縮できるか」、「プロジェクトの終了時刻を変えずにある作業の人数を減らし、作業Xの人数を増やすにはどの作業の人数を減らせばよいか」と問われることがあります。

前者ではクリティカルパス上の作業を選べばよし、後者ではクリティカルパス上にない作業を選べばよしです。

おわりに

今回は基本情報技術者試験応用情報技術者試験で頻出のアローダイアグラム(PERT図)のクリティカルパスの求め方を解説しました。

かなりの確率で出題されるのでしっかり覚えておきましょう。